prologue

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   車窓から見える海は、あの頃と何も変わらず、キラキラと輝いている。  市街地の方は、随分と変わってしまった。  私がこの町に暮らしていた頃には無かったビルがいくつか新しく建っていて、知らないお店も増えていた。  思い出がつまったその場所が、知らない姿に変わっていく。  その事実は、少なからず私に切なさを与えた。  それに比べて、今、目の前に広がる光景は、あの頃と何も変わらないままだ。  遠くで太陽の光を反射する海も、ゴミ一つない茶色い浜辺も、赤い屋根の小さな海の家も、何も変わらない。  
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