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4月9日。
まだ肌寒い昼過ぎ。
今日は親友の優平が息子を連れて俺の前に現れた。
親友といっても二十歳を過ぎてからはそんなに頻繁に会うこともなくなったのだが、毎年優平はこの時期になるとビールを持って俺の所に来る。
男の付き合いとはそんなものだ。
『よう❗亮ちゃん久しぶり❗早速呑むべ❗』
優平が息子を隣に座らせビールを呑みはじめた。
優平は俺と呑むと、決まって昔の武勇伝を語る。
『昔はよかったよなぁ❗将来は二人でBigになってBMW乗り回して毎日美味いもん食って女にもモテモテだぜ❗って言ってたよなぁ❗』
まだ幼い息子の前でも優平は恥じらいもなく昔を語る。
…………そんな優平はバイク屋の社長になった。といっても社員は優平一人である…………
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