ランの朝のお話

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いつも朝起きたらやるように鏡の前でニカッと笑って見る。 「うん、いつものうちやな」 目が覚めたのかぱっちりと目を開けいつもの太陽に向かい力いっぱい伸びる元気な向日葵のように力強い笑顔になった。 ランの魅力はやはり誰もが吊られて笑顔になってしまいそうなこの笑顔だ。元気と笑顔のおすそ分け……それはラン特有の魅力だろう。 とりあえずいつものチャイナ服に着替え、キッチンに向かい朝ご飯の用意をする。勇者亭のキッチンと比べればかなり狭く感じるが整理整頓はきちんと出来ていて清掃も行き届いている。 ランは性格上おおざっぱに見えるが、意外とこういった面はしっかりしているのだ。 「やっぱ朝はお米食べんと力出んわ~」 米を手早く研ぎ炊飯を始める。その間に手早くおかずの準備を済まし、冷たい麦茶を入れてベットに腰掛ける。 部屋は白い壁に白のカーテン、白いカーペットと白い家具が多い。 白は汚れが目立つのだがそれにこだわるのはヒューイがよく白を身につけているから、好きな人が好きな色を自分も感じていたいからだったりと意外と乙女なランだったりする。 「はぁ……ヒューイが男爵やったなんてなぁ」 麦茶で喉を潤し独りごちる。 「どないしよぉ……昨日からドキドキが止まらへん」
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