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二人の間に、4年の月日が流れている。
だけど、変わらないものも、ある。…あるよね。だけど、杏子の後ろから、
「杏子!!」
と叫んで、初めて見る青年がやってきた。杏子は微かに動揺しているように見えた。が、まっすぐに俺を見上げて、
「今付き合ってる人」
と言って俺に紹介した。
*
4年。長いようだけど、短くて。
会わなければ忘れていられたはずなのに、そこに杏子がいると思うだけで胸が苦しくて。そして、俺ではない他の男に抱かれているのかと思うと、腹ワタが煮え繰り返る。
いやだ。
先に手を離したのは俺だけど、やっぱり杏子は俺だけの杏子でいてほしい。誰にも、渡したくない。
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