最終章 永遠の星屑

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そうして、週末の土曜。 午後、俺は杏子を迎えに両津港に行った。迎えに来てくれ、と頼まれたわけではないし、何時に到着する、と聞いたわけではない。だけど、俺はいても立ってもいられなくて両津に向かった。一時間くらい車で待っていて、港に入って来た船に気付いて、俺は胸が爆発するほど高鳴っていたのを必死に堪えて、歩いて行った。船から降り立つ人波が溢れていて、その中でも、すぐに杏子を見つけられた。 すごく、綺麗になった。 幼さはどこにも、ない。 気の強そうな凛とした眼差しは、相変わらずだ。気付いたら、足が勝手に杏子の方に向かっている。叫びたい。キョウ!!叫びたいよ……。そして、抱きしめたい。杏子と目が合うと、杏子は一瞬驚いて俺を見つめて、俺たちはお互いに歩み寄っていった。
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