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その年の野球部に所属していた中学生で、神谷瀬名の名を知らない奴がいたらモグリである。
中学生とは思えない巧みなリードと守備力。
打撃力は、全国でも屈指で、即甲子園でも通用すると評判だった。
相手の裏をかく勝負勘は、打者の心が見えていると噂され、ピンチでも動じない勝負度胸は、鋼鉄の心臓と称えられた。
そんな、10年に一人の天才の輝かしい未来を関係者の誰もが思い描いていた。
やがて、春が訪れ、卒業と入学の時期。
全国どの野球部にも、彼の姿は無かった。
神谷瀬名は、高校野球への道を閉ざした。
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