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美子が三振に倒れ、続く打者は同じ右打者の真子。
バットを短く持ち、構えもかなり小さめだ。
美子の打席を見て対策を立てたのだろう。
その様子を見て古豪の強かさを感じる瀬名と、
「……」
特に感想らしい感想を持たない真琴だった。
「ハッハッハー、もう六番なのか。早いもんだ」
ブルペンから直行してきた絵美。
「準備万端か?」
「本音はあと一イニング欲しかったけど、まぁ、何とか“組み立てる”な~」
意味深に、それでいて楽しげに彼女は言う。
そしてヘルメットを被り、ベンチから出る。
次の打順は七番の圭織。
つまりは、そういうことだ。
真琴は自分の投球の変化に気付いていたが、それが何故なのかは気にしなかった。
抑えれれば結果オーライである。
(難しいこと考えてもどうせ分からないし、だったら最初から考えない)
本音はそれだった。
そもそも自分は同じように投げているつもりなのだが。
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