ep11 テストという名の誘惑……ていうか惨劇

11/42
54709人が本棚に入れています
本棚に追加
/805ページ
すると須山先生は、ダルそうに頭を掻きながら黒板に文字を書き始めた。 書かれた字は、たったの5文字。学生なら誰もが知ってる簡単な単語。 それは、学生の登竜門。 今の季節は六月後半。 これが訪れるのは、当然と言えば当然。 学力のない生徒にとっての悪魔の名。 白いチョークで書かれた言葉は――――、  期  末  テ  ス  ト …………は? 「うーい。というわけで、明日から期末テストだ。しっかり勉強してこいよ、お前らー。以上。解散」 クラス中を包み込む、圧倒的静寂。沈黙。 それが続くこと―――数秒。 『えええええええええぇぇぇぇぇぇ!?』 ―――この日ほど、クラス中に生徒の悲痛な叫びが響いたことはないだろう。 少なくとも俺はそう思う。 ――そんな俺が言える一言。 それは至極簡単。 何してくれてんのさ、須山先生コノヤロウ。     
/805ページ

最初のコメントを投稿しよう!