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すると須山先生は、ダルそうに頭を掻きながら黒板に文字を書き始めた。
書かれた字は、たったの5文字。学生なら誰もが知ってる簡単な単語。
それは、学生の登竜門。
今の季節は六月後半。
これが訪れるのは、当然と言えば当然。
学力のない生徒にとっての悪魔の名。
白いチョークで書かれた言葉は――――、
期
末
テ
ス
ト
…………は?
「うーい。というわけで、明日から期末テストだ。しっかり勉強してこいよ、お前らー。以上。解散」
クラス中を包み込む、圧倒的静寂。沈黙。
それが続くこと―――数秒。
『えええええええええぇぇぇぇぇぇ!?』
―――この日ほど、クラス中に生徒の悲痛な叫びが響いたことはないだろう。
少なくとも俺はそう思う。
――そんな俺が言える一言。
それは至極簡単。
何してくれてんのさ、須山先生コノヤロウ。
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