ご無沙汰しておりました

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 窓の外には白い雪、綺麗に輝くクリスマスツリー。  街は完全にクリスマス一色である。  まあ、俺には関係のない話なんだが。  独身で彼女もおらず、一人暮らしの寂しい大学生の俺にとってクリスマスなどコタツで丸くなりテレビを見るしかない。  こないだ別れた彼女を思ってもハッピーなイベントなど起こらない。  別れてなかったら今ごろそこらに飯食いに行ってたのに……  寂しすぎる。寝るかな……  ピンポーン  俺がこの世の中に絶望し始めて不貞寝しようとした瞬間鳴り響くチャイム。  うぜー、誰だよ。こんな夜に来るってことは田中か? あいつ毎年彼女いないし。  あ、今年は初めて彼女とクリスマスだって叫んでたっけ。  ……明日殺してやろ。半分くらい。  ピンポーン  俺が田中への殺意を胸に抱いていると、再度チャイムが鳴り響いた。  まあ、とりあえず出てみるか。  田中は殺すけどな、半分。  小走りで玄関に行き、扉を開けると、見慣れないメタボ気味のオヤジが立っていた。  ……誰? 「ご無沙汰しておりました。ども、ネコです」 「宗教勧誘セールスお断りの文字が見えねーのか。眼下行けメタボ」
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