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優さんのあっけらかんとした様子に手で顔を覆う佐渡凛。これは最初、ここに来た時から分かってたことだけどね。
凛「本当…、くだらないことだったな」
凰「凛、よかったね」
凛「…お前は何でも見透かしてるな」
気負いすぎて疲れた、とこめかみに手を当てる彼に美沙姫は笑みを深める。
美「ふふ、良かった!これで条件が揃いました」
優「条件?」
鞄からファイルを出した美沙姫を全員がきょとんと見やった。そういえばあの大きなショルダーの中身を凛達は知らない。
美「どうぞ」
差し出した紙を受け取った優さんは驚いた表情をそのままに動きを止めた。
優「……え、え?美沙姫ちゃん、これ、って…」
張り付いた笑顔のまま、"?"を浮かべた恵さん達に見せると彼女等も同じく驚きの声を上げる。
美沙姫が渡したのは一枚の契約書と、大手企業の企画書リスト。
恵「何でこんなもの、美沙姫ちゃんが…そういえば優さんの仕事のこともどうやって」
美「あ、すみません。ちゃんとご説明した方が良いですよね」
椅子の傍に立った美沙姫はスカートの裾を摘み、行儀良くお辞儀をする。それはそれは童話に出て来るようなお姫様さながらに。
美「改めまして、…姫野美沙姫、姫野財閥代表 姫野慎海の娘です。以後お見知りおきを」
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