隙間……

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部屋の中に兄の死体があるという、最悪の結果でない事に、彼女は安心の溜め息をもらす。 管理人も自身の管理するアパートで、死人がでていない事に安堵し、鍵を後で返してもらうと約束をすると、先に帰って行った。 1人部屋に残った彼女は、まずテレビを消す。 出掛けているのだろうかと、テーブルに置かれたコーヒーを見、そう考えたが、よく見れば飲まれた形跡はなく冷めている。 部屋を調べようかと思ったが、それよりもう一度兄に電話する事にした。 かけたと同時に部屋に響く着信音。 その音に少し驚いたが、この部屋がその発信源だと知り、携帯を探し始めた。 パソコン用のデスク上にそれを発見し、すぐさま取り上げ、自分の携帯を閉じた。 小さなランプが点滅する携帯、悪いとは思いつつ中を確認していった。 着信履歴はここ数日、不在着信ばかりである。 親と自分、記憶が正しければ兄の彼女の名前が連なって並んでおり、どれもが不在扱いである事がわかった。 メールも数10件、確認された形跡はない。 それを見た彼女は、急に兄が心配になり部屋を物色しだした。
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