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白い。
優羽は目を覚まして自分の部屋の天井は茶色かったよなとぼんやり思った。
「つっ!」
左足に激痛が走る。
体を起こそうとした次の瞬間、
「いたっ!」
今度は頭に激痛。
軽く浮いた頭を戻し、また天井を見る。
あれ?私……
目線だけ動かし見渡すと、この部屋は明らかに病室だった。
つん、とあの病院特有の臭いを感じ確信した優羽は、なぜ自分が病院にいるのか思い出そうとした。
――あれ?
「目が覚めた?」
ふいに男の声がすぐそばから聞こえた。
優羽はその時初めてこの狭い病室の窓際に一人の男が立っていたことに気づいた。
「あの……私……」
「大丈夫?」
「うん、頭と足がちょっと痛いだけで」
「よかった。
一週間も……」
「私、なんで病院にいるの?」
「え?」
「あなた誰ですか?」
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