第22章

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      「ツバメ!!やめろって!」   「ブラッディア様冷静に!!そいつはもう・・・っ!」       目の前には、なんか物凄い形相であたしの上に乗っかって胸ぐらを引っ掴んでるツバメ。 そしてそれを止めてるゼルやルイスたち。なんか右であたしの手を掴んだまま泣いてるリウル。 いや、本当にどういう状況だこれ 「えーっと・・・・・・どういった状況?」 固まってるツバメに向かって、ハハハと笑う。 「「「・・・・・・」」」 ポカンとしてる周囲。右側ではあたしの手を掴んでいたリウルまで、口が空いたままになっている。 一体何がどうなってこうなったんだ。あとなんかすっごく右側の頬が痛いんだけど。 「スティ!!」 「わっ?!」 横から飛びつかれ、身体が傾く。 「ほんとにほんと!?生きてる!?」 「うん、ばっちり呼吸してる。でもなんか頭はグラグラするし右頬が痛いよ」 それはツバメの所為よ!とリウルは泣きながら腕に力をこめた。 締まりすぎてこのままじゃ圧迫死しそうだ。 「本当に生きてるな」 マリネロがあたしの顔を覗き込んで、うーんと何か不思議そうな顔をする。 「あたしもしかして、死んでた?」 そういやさっきまで天国みたいなところ彷徨いてたんだけどと言えば、彼女は「少し前から息が止まってたからな」と飄々と言ってのけた。   どうやらあたしは本当に、あの世に片足を突っ込んでいたみたいだ。  
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