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ぼくが笑って答えれば、やっぱり気分を害したのだろうか。そっぽを向く。
頭を撫でてやるが、向きは変わらない。
「時間は勝手に進んでいくんだな」
少し時間がたったあと、総司朗が呟いた。
「時間は勝手に進んでいくんだ。誰がいない。とか。誰がいる。とか。
そんなの、解っては居たし。寧ろ、考えたこともなかった」
そう言いながらでも、総司朗はぼくとは顔を合わさない。
「叶湖と約束したんだ。叶湖を守ってやれるやつを見つけるまで。お兄ちゃんは死なないって」
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