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〈始〉
――覚えているか?
初めて自分の足で立った日が、あったことを。
初めて自分の口で何かを喋った日が、あったことを。
……俺は、ずっと忘れてた。
……忘れてた?
……違うな。
知らなかったんだ。
自分のことを、何も。
他人のことも、何も。
気付いたら、俺のこの両腕は〈罪〉を犯して汚れていた……。
だから俺は、両腕の〈罪〉に対する〈罰〉をこの身に受けよう。
〈罪〉と〈罰〉と〈罪〉が俺に与えられた物語の〈タイトル〉。
……最後まで、戦い続けてみせるさ。
それで、〈君〉が笑うなら。
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