だけどそれは仕方がない

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……だめだめ。経験上期待しちゃだめ。 でも…… 「聞こうか」 「おう! あのな、僕がヘアピンか何かでピッキングするから」 「……そんなんで開くなら苦労しねーよ」 「うん! だいなまは呆れた感じでそう言って!」 「お?」 「そうすれば開くから」 「ぉお!」 確かに……そんな『パターン』も見たことあるかもしれない。つか、この状況だとベストな作戦じゃないか? 「どーしちゃったのエルゥ、冴えてんじゃん」 「えへへ」 「早速やってみようぜ!」 「うん☆」 馬鹿にして悪かった! 正直アホの子かと思ってた! やれば出来る子! 「そんじゃだいなま」 「おう!」 「ヘアピン貸して☆」 「……………………え?」 「だから!ヘアピン☆」 「……………………まさか!」 そのまさかだった。僕達はヘアピンどころか針金一本、使えそうな物を何一つ持っていなかった。 だめじゃん。
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