194人が本棚に入れています
本棚に追加
/404ページ
……だめだめ。経験上期待しちゃだめ。
でも……
「聞こうか」
「おう! あのな、僕がヘアピンか何かでピッキングするから」
「……そんなんで開くなら苦労しねーよ」
「うん! だいなまは呆れた感じでそう言って!」
「お?」
「そうすれば開くから」
「ぉお!」
確かに……そんな『パターン』も見たことあるかもしれない。つか、この状況だとベストな作戦じゃないか?
「どーしちゃったのエルゥ、冴えてんじゃん」
「えへへ」
「早速やってみようぜ!」
「うん☆」
馬鹿にして悪かった! 正直アホの子かと思ってた! やれば出来る子!
「そんじゃだいなま」
「おう!」
「ヘアピン貸して☆」
「……………………え?」
「だから!ヘアピン☆」
「……………………まさか!」
そのまさかだった。僕達はヘアピンどころか針金一本、使えそうな物を何一つ持っていなかった。
だめじゃん。
最初のコメントを投稿しよう!