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「よし!!…もう…一生分緊張したぞ;沙羅!!これから一生よろしくな!!」
沙羅を両手でしっかり抱きかかえながら勢いよく立ち上がった。沙羅はいきなり立ち上がられたので義経の腕の中でバランスを崩しかけていた。
「キャア!!義経;落ちる落ちる;;」
沙羅は必死に義経にしがみついている。そんな沙羅を見て義経は喜んでいた…いたずらっ子のような顔で…だ。沙羅を見つめ、次は空一面に瞬く星を見上げた。沙羅もそれにつられて空を見上げた。
「どうしたの??」
空をキョロキョロしながら義経に尋ねた。
「死んだ人は空の星になると言う…きっとお前の両親もあの空のどこかでお前を明るく照らし見守っている。だから…その両親に挨拶していたんだ。沙羅を…この世に産んでいただきありがとう、一生大切にするので安心してくださいってな。」
そう言って沙羅を見た。その顔は幸せそうなトロンとした表情だった。少し見つめ合い沙羅は空に向かって声を出した。
「お父さん、お母さん。私、戦や刀が溢れるこんな時代だけど…世界で一番大切な人と絶対に失いたくない仲間、見つけたんだよ☆お墓参り出来ないけど…沙羅を見守って、義経達と一緒にいれることを喜んでね!!」
その言葉に反応するように、空に浮かぶ隣接した二つの暖かな色をした星が瞬いた。沙羅と義経は顔を見合わせて笑った。
「きっと…あの今輝いた二つの星がお父さんとお母さんだね☆」
義経は頷き、今までより強く沙羅を抱きしめた。
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