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沙羅と義経の言葉だけだが契りをかわして数日。皆にはまだ言っていない。とくに日取りも決まっておらず今は戦などで落ち着かないので、一段落したら話そうと言う事になったのだ。
一方、皆の進行状況は…つい先程頼朝邸へとたどり着いていたのだった。そこはシンプルだが作りのしっかりした大きな邸宅だった。先に頼朝一行が中へ入り義経達は外で待っていた。
「うわぁ…でかいなぁ;どちらかと言うと邸宅っつぅより館??」
忠信の言葉に沙羅は何度も大きく頷いた。二人ほどではないが皆もそれなりに驚いているらしかった。お上りさんのように辺りを見回していると頼朝が一人、門からヒョッコリ顔を出した。
「ほら、そんなキョロキョロしていたら不審者と間違われるぞ…入ってきなさい。」
頼朝に促されて義経達も入っていった。外から見た感じと同じで飾り気のないこざっぱりした造りの館だった。
その造りによく合う頼朝の着物は高価な物ながらシンプルな着物だった。
「奥で政子が待っている。……まぁ、先にお前達も着替えた方がよさそうだな。」
そう言われ、皆は自分の着物を見た。それは長旅でくたびれ所々汚れていた。沙羅の忠信にもらった袴も例外なく…
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