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「明智秀満殿をお連れしました」
門衛の後ろに一人の男が見えた。
背はすらっと高く、鷹のように鋭い目ときりっと締まった口元は、紛れもなく、濃の知る明智秀満であった。
秀満は腰に佩いてある刀を門衛に頼み外してもらい他意のないことを示すと、深々と頭を下げ、
「お久しぶりでございます」
と、敬うように挨拶をした。
「秀満。そなたがいるということは、そなたも敗れ、死したか」
濃は冷たい視線でそれを見やると、いつもよりも数段低い声で秀満に声をかけた。
「はっ。近江坂本にて、羽柴筑前の手勢により敗れました」
頭を下げたまま秀満が答える。
「主殺しをしたのじゃ。当然の報いよのぅ」
これに関しては何も言えない。
「して、殺した相手の所へ何をしに参ったか」
濃は変わらずに低いトーンのまま問いただす。
「信長様が許都にいると聞き、訪ねようとした所、あちらこちらで信長様の武勇伝を聞かされて、足跡をたどりたく思い、参りました次第」
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