Prologue

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王宮の玉座に座る女性が一人。その隣に、瓜二つの女性もいる。 玉座に座っている無愛想な女性の名はグロリア。年の頃はまだ20前後であるのだが、一国の女王である。 退屈且つ忙しい王宮の生活に嫌気がさしている模様。何度も王宮を脱走するという女王らしからぬ行動を取ることもしばしば。 その隣で眩しいくらいの笑顔を振りまいている女性の名はホーリー。ありとあらゆるスイーツを食べ尽くしたいと願う甘党である。最近少し太ったらしく、甘いものを食べたい衝動と戦っていたりする。 グロリアの妹で、グロリアが不在の時に女王代理として仕事をするのだが、頭の方は弱い模様。彼女自身は気づいていないようだ。 「お姉様! 今日は逃げないでくださいよね?」 ホーリーがグロリアを睨みつけて言った。しかし、中途半端に笑顔であるため、グロリアは相変わらずの無愛想な表情のままである。 「わかってるわよ。頭の弱いあなたに仕事をさせてると後々面倒だからね」 「頭が弱い? それってどういうことですか?」 グロリアが貶している(けなしている)にも関わらず、笑顔で聞き返すホーリー。 それには流石のグロリアも呆れ果てて、 「そういうところよ」 吐き捨てるように言った。 それでも笑顔なホーリーに対して、憎めないわね、と思うグロリアなのであった。
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