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俺は気付いたら正座になっていた。
もちろん目の前のご飯なんか喉を通らない。
「……………」
「……………」
2人の沈黙は続いた。
時計を見たら2、3分しかたっていないのに俺には1時間、いや…それ以上に長くかんじていた。
(俺の目の前にいるのは優ちゃんだよな…。あれ?けどTVにも優ちゃんが映っている。あっ!優ちゃんのそっくりさんが雪なんだ。ん??逆か?????)
俺の頭はいろんな事でグルグル回っていた。
頭が破裂しそうだった。
「………先輩?」
「は、はい」
俺は声が裏返った。
「黙っていて、すみませんでした。言おう言おうと思ってたんですけど先輩も気付いてなかったから…」
「い…いや、こちらこそ気付かなくてすみませんでした!!」
俺は気付いたら土下座をしながら謝っていた。
「ちょ!ちょっと先輩!!顔をあげてください!」
俺はゆっくり顔をあげるとそこには優ちゃんの満面の笑みがあった。
「先輩…私は私ですよ。先輩の前にいるのは女優の雪じゃありません。先輩の後輩の優です」
そう言うと彼女はまたニコッと笑った。
その笑顔は高校からいつも見ていた優の笑顔だった。
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