189人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
新たな力
「炎?…」
理解できないイリスは、掴まれた手を見つめた。そんな力が使えるのか分からないがリュードの力を借りれば、本人を倒す事もできるかも知れないと思えた。
奴の言う通りに炎のイメージを掌に思い浮かべる。
「色、熱さ、威力をイメージしてみれば…炎が出せる筈だ…」
真剣に掌を見つめるイリスに助言を与えるリュードは、見守った。
「炎っ!」
イリスは、目を閉じて呼吸を整えて、掌に燃え盛る炎を想像してみる。
僅かな熱を感じ始めると更に意識を集中させた。そして、閉じた瞼を上げて叫んだ。
その瞬間、掌に大きな炎が現れた。
熱を感じて、本物だと理解できたがイリスには驚きだった。
「初めてにしては中々の出来だな…」
掌で消えずに燃える炎を見つめるイリスにリュードは、笑みを浮かべて片手で頭を撫でた。
最初のコメントを投稿しよう!