新たな力

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新たな力

「炎?…」 理解できないイリスは、掴まれた手を見つめた。そんな力が使えるのか分からないがリュードの力を借りれば、本人を倒す事もできるかも知れないと思えた。 奴の言う通りに炎のイメージを掌に思い浮かべる。 「色、熱さ、威力をイメージしてみれば…炎が出せる筈だ…」 真剣に掌を見つめるイリスに助言を与えるリュードは、見守った。 「炎っ!」 イリスは、目を閉じて呼吸を整えて、掌に燃え盛る炎を想像してみる。 僅かな熱を感じ始めると更に意識を集中させた。そして、閉じた瞼を上げて叫んだ。 その瞬間、掌に大きな炎が現れた。 熱を感じて、本物だと理解できたがイリスには驚きだった。 「初めてにしては中々の出来だな…」 掌で消えずに燃える炎を見つめるイリスにリュードは、笑みを浮かべて片手で頭を撫でた。
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