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『凪!!見てみて!!
可愛いでしょ!?ちょうちょさん!!』
いつもお前は笑顔で俺の名前を呼んで俺の隣にいた
『うん。』
そんなお前の笑顔にいつも俺は恥ずかしがりながら無愛想に返事をする
『あっ…』
蝶が目の前からヒラヒラ飛んでいく
『いっちゃった…ちょうちょさんもパパとママみたいにいなくなっちゃった…』
いつも笑顔な杏里だけど、両親は事故でなくなった
寂しいはずだ。
この時はまだ小学2年生だから悲しくないはずはない
だけど杏里は笑顔を作りつづける
両親との約束だから
『俺はどこにも行かないよ。
ずっと杏里のそばに居る』
これが俺の初めての告白
『ありがとう!!
じゃあ杏里、大きくなったら凪と結婚する!!!』
いつもにまして笑顔で答える杏里との約束を、
今も俺は胸に決めて生きていた。
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