許せない…

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静かな口調で2人に問う。 ―!!!!― 亜里早の顔は険しくなり、愛海は、青ざめた。 「そんな訳ない!!  そんなのデタラメだ!!」 亜里早は立ち上がり、間違いだと主張する。 「デタラメ言ってんのは…、お前達が信じてる婆さんだよ…」 琢磨は、いい加減に呆れてきたようだ…。 眉間にシワを寄せ始めた。 「亜里早…、愛海…すまんのぉ…  ワシも信じたくない…  信じたくないんじゃ…  いくら婆さんでも…、孫をここまで追いつめるような手段は選ばないと思っとった…  でものぉ…、これが事実みたいなのじゃ…  婆さんが差し入れに薬を入れてしまったようなのじゃ…」 祖父は、肘を膝に立たせ、手を重ね合わせ、その中に頭を埋め、ため息を吐く。 「っ…嘘だ…!!  皆…、夢奈を庇ってるんでしょ!?  お婆ちゃんが、そんな事するはずない…」 亜里早は、耳を抑え、首を激しく横に振り始めた。 ―信じない…  信じないんだ…!!― 「はぁー……  もう良い…  俺は、お前に、もう何も言わねぇ…  ってか言いたくない…  …お前ね、智貴がこんな状態の時に庇うとかあると思ってんの?  あいつは腹部を切ってんだぞ!?  庇うとか余裕あると思うか?  考えて物事、話せ!!  あ~…、マジいらつく…」
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