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「イヤッ、ちょっと、離してよ!」
明らかに女の声。続いて複数の男の声も聞こえてきた。
「クソ、暴れるな」
「静かにしやがれクソアマ」
「クックッ」
ん~……どう考えても穏やかな状況じゃねぇだろ……
声は間違えなく、俺の目の前にある角を曲がった処から聞こえてくる。
どうするかな……
とりあえず何が起こっているのか知るためにちょっとだけ顔を出して覗いてみるか。
「……帰るか」
なんで俺がエルフ3人も相手する必要があるんだ。
ウザイ……
俺が本気出しゃ一撃だが、昼間っから“力”を使うワケにはいかねぇ。
俺はとあるバカと違い表と裏で世界を住み分けてるつもりだ。
下手に能力を使えばさすがにマズイ。
それに、俺は慈善家じゃねぇ、むしろ逆だ。
「! あ、あなた、助……けて」
ヤベッ!? 見つかった!?
「ん……! 誰だ!? お前」
チッ……無駄に目敏いなあの女。
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