6人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
小学生の頃から太っていた。
元来の恥ずかしがりやとおとなしい性格で女性ともロクに話もできなかった。
唯一体格を活かしての得意だった柔道。
中学では主将を務め、地区2位、県南3位になり、県大会にも出場した事もあった。
高校でも柔道を…
意気揚々で入部したが現実は甘くなく、僅か半年で挫折した。
時を同じくして、父親の浮気が母親に発覚。
家族を巻き込む離婚騒動。
結局は父親の別居で落ち着いたが、女性関係に対してトラウマを持ってしまった。
何もやる事がなく、次第に元々好きだったゲームやマンガに夢中になる。
彼女はおろか友達付き合いも余りなく、只漠然と高校3年間が過ぎていった。
誰もがぶつかる壁『進路』
勉強も出来る訳ではなく、部活も挫折してしまった。
『どうしよう…』
必至に悩み続けてそこでたどり着いた答え。
『調理師になろう』
小さい時から料理はよくしてきたから多少心得はあった。
というかもはやこれしか選択肢がなかった。高校卒業。
同じクラスに密かに想いを寄せていた女性がいた。
卒業式の日告白を決意。
しかし結局告白出来なかった。
自分の臆病さを言い訳で慰めて…
今、後悔している事の一つだ。
最初のコメントを投稿しよう!