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『ヤバいヤバいヤバいヤバい…』
頭の中で警鐘が鳴っている。
兄ちゃんが靴をはき終わった時、後ろを見てみたら、人力車は居なくなっていた。
うちは一安心して人力車に乗った。
少し先へ行くと、やっぱり公園があった。…まぁ、公園と言ってもベンチしか見当たらなかったが。
すると、神社ならではの物も発見。
神社の入り口にある手と口を洗う場所…御手水があった。
おそらく、ここが入り口側なのだろう。
でも何故か御手水が2カ所あった。
その内の1カ所にさっきの着物の連中がいた。
何故か、3人とも御手水へ上がって、水の中へ入っていく…
その中は深いらしく、うちが乗っている人力車を引いてる兄ちゃんが
「危ない!!あの人たち、溺れる!!」
そう言って、人力車を引くのをやめ、兄ちゃんは3人を助けに向かった。
「行ったらマズいぞ!!」
そう言っても兄ちゃんは聞かずに走っていった。
兄ちゃんは上半身水に浸かり、一番近くにいた赤い着物の人へ腕を目一杯伸ばし、その人の手を取った。その人はニコリと笑い、兄ちゃんを水の中へ引きずり込んだ。
うちは『ヤバい!!あの兄ちゃん助けな!!』そう思って、水の中へ肩まで浸かり、赤い着物の人に「おい!!こっちだ!!」と言った。
すると、赤い着物の女はこっちを向いて、兄ちゃんの手を離した。
赤い着物の女はうちより若く、恐らく18位だろう。
やけに色白で、綺麗な顔をしていた。
赤い着物の女はニコリと笑いうちに近づく。
向こうがすぃ~…と近づくと、うちも、すぃ~…と外へ向かう。
また、お互い止まると、向こうは再びすぃ~…と近づく…うちも、すぃ~…と外へ向かう。
うちは壁が背に当たった。
うちは兄ちゃんが外へ出ているのを確認した。
目を女の方へ向けると、女はニヤリと笑い、すぃ~…と近づこうとしていた。
『次、きたら顔面に蹴りいれたろ。』
そう考え、女はすぃ~…と来た。
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