嘘は嫌

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「あ…………」 驚きのあまり言葉がでてこなかった。 ちゃんと否定しなきゃいけないのに。  いや、何を否定するんだ? 山口くんと一緒にいたこと?   あたしが嘘をついていたこと?  何も否定するところなんてないよ。 でも、なんで、綾菜ちゃんはあの日あたしが山口くんと一緒にいたのを知ってるんだ? 「……私あの日、買い物をして帰ろうと思いました。そしたらそこで偶然友達と会って、ご飯を一緒に食べることになったんです」 口の中が緊張でカラカラだった。 あたしはゴクリとつばを飲み込んだ。 「話も盛り上がって結構遅い時間にお店をでたんです。そこで友達と別れて、家に帰ろうと思った時……」 ――『見ちゃいました……』と、綾菜ちゃんはこちらを向いて悲しそうに微笑んだ。
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