La-ito

１

「好きです。」

ライブが終わり、打ち上げにと流れ始めた箱の外。

俺たち出演バンドを待っているファンが賑わうその場所で、唐突に告白されてしまった。

相手がかわいい女なら、有難うの一言で、笑顔でも何でも浮かべても良かったかもしれない。

でもそいつはガタイのいい、俺よりずっとデカイ男。

「…は？」
「あ、いや、そのっ…俺、シンさんのギター、すげぇ好きなんです！」