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人は適度を超えると物足りなさを感じる
今年に入って5度目の雪が降った。
ゆっくりとしたバスに揺られながら女は思う。
小学生の頃だったら雪が降っただけで1日が幸せだったのに、と。
外の気温に対してバスの中は暖房が効いていて暑い。
バスの窓に額を付ける女。
あまりの気持ちよさに体がプルプルと震える。
高校2年生の冬。
そろそろ将来について考えてもいい頃だというのに女は、全く別のことを考えていた。
「そういえば…このバスどこに向かってんだろ…」
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