ーはじまりー

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『お疲れ様~』 やったぁ~! 今日は待ちに待った給料日 これで、あのジャケットが買える そして合コンでウハウハだぁ~! 急げ! 早くしないと売切れて しまうかも知れない 頭の中は女の子で一杯 男はやっぱ見掛けっしょ! カラコンつけて ワックスで髪を立たせて そんなチャラい俺の名は 麻生 凛(あそう りん)凛とした男に育って欲しいと名付けられた俺は、 凛とするどころか、ナヨナヨ… でもそんな事はもういいのだ! 今日は可愛い娘が揃っていると言う合コンへいざ! だけどその前に、前から目をつけていたジャケットを買いに行く途中なのだ 『うっ…何だ?』 微かに動く物体 『ギズモ?』 な訳ないか… おっと、時間がない 走りかけて…振り返る 『あ~クソッ!』 気付いたら、ギズモを 抱いて走っていた 『頑張って!』 そしてやっと獣医を見つけ、中に入る てか…何やってんだ俺… シャツは血だらけ 合コンどうしよう (麻生さ~ん) 『あっ、はい』 ギズモを抱いて診察室へ 「成る程…交通事故ですね」 『はぁ』 「入院して手術が必要ですが」 『手術…入院…』 「このままでは間違いなく死んでしまうよ」 『うっ…あの…』 「はい」 『幾らかかりますか?』 「ん~、最低でも10万は」 『ひぃーーー!』 どうする俺? ポケットにはもらった ばかりの給料が約10万入っている ジャケットの為に頑張った それを このさっき拾ったギスモに… むむぅ~ さようなら…ジャケット 『お願いします』 「わかりました、よかったねギズモ」 優しくギズモに声をかける先生を初めて見た 『うっ…俺よりイケメン…しかもタイプ!』 「ん?」 あれ…どうしたんだろ 先生は男…男… だけど 優しく微笑みながら ギズモを撫でる先生から 目が離せなかったんだ おかしいぞ俺…
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