プロローグ

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平成20年6月初 会社の用談コーナーで、私は役員の向かい側に座っていた。 プロジェクトチームが進めている仕事の一部の内容に対し、私が適任と思われるとの事だった。   7月6日から7月13日の予定でのオランダへの出張命令で、 この時に言い渡された仕事は私にとって難問であった。 何故なら私は英語を殆ど話せないのだ。(笑)   何故そんな私が適任なのか???   そう、いじめだ。   なんちゃって(爆笑)   いじめ対象の社員にヨーロッパへの出張費用を出すほど甘い会社ではない。   対象の商品の開発段階に、最も関わって居たからだった。   断っても降格、行って失敗しても降格。   私の生き残る道はただひとつ。   オランダへ行き、業務命令を達成するしかなかった。   どの様にして達成するか。   その後の1ヶ月は日常業務をこなしながら難問に取り組んだ。   6月29日(日) あと1週間だな。 散髪に行ってから準備に取り掛かるかぁ。   悠長に構えていたところへ、めったに鳴らない私の携帯が鳴った。   んっっ? オランダのS君から?   電話の向こうはS君ではなく、重役だった!!   重役:『緊急の問題が発生した。予定を繰り上げて出発しろっっ!』   んげっっ🎵  私:『明日と明後日、愛知の営業所で詳細打合せをしてからでないと・・・』   重役:『打合せは1日で終わらせて7月1日に日本を出発しろ。』   私の心の声:(行くか、降格か?)   私:『解りました。』(泣)   1週間のつもりだったので服は手持ちで行ける筈だった。   が2週間に!   慌てて散髪に行き買い物へ。   スーツケースとカッター、スラックス、下着、靴下、おっと、変圧器。   夜中の12時、やっと準備が終わった。(笑)   翌朝、デカいスーツケースとデカい出張鞄をガラガラと引きながら家を出発。   この時は2週間のつもりだったが・・・   結局、1ヶ月に伸びた私のオランダ出張の幕開けだった。
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