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部屋の中に咲羅のシャワーを浴びる音が響いていた。
智瀬は台所に立ち、慣れない手つきでコーヒーを二つ、入れる。
カチャ
咲羅がシャワーから上がり、リビングに戻ってきた。バスローブ姿の咲羅に智瀬はドキっとした。
「何、やってるの?」
「コーヒー入れようと思って。」
「・・・出来るの?」
「バカにしてる?」
ふふっと咲羅は笑った。
「お酒以外も作れるんだね~」
からかうかのように咲羅が言った。
そんな咲羅にコーヒーを手渡す。
二人はソファーに腰掛け、テレビを付けた。
「ねぇ、『ROMIO』であたしと目があった時・・・びっくりしなかったの?」
「まさか。心臓壊れるかと思ったよ・・・」
そう言って咲羅の頬にキスをした。
「平然を装うのに必死だったし・・・」
今度は咲羅の肩に手を回し、顔を自分の方に向けると唇にキスしようとした。
「ちょっ・・・」
慌てて咲羅は離れた。
「何で逃げんの?」
「・・・何となく。」
「何、それ。」
「身の危険を感じて・・・」
「危険って・・・」
智瀬は咲羅の純粋過ぎる反応に笑った。
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