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鳥の羽音と囀り鳴く声、その騒がしさにシャオは目を覚ました。
寝ぼけ眼を擦りながら一つ大きな欠伸をして
「ん~ぼく何時の間に寝ちゃったんだろ?変な夢だったなぁ。」
呟きながら握り締めていた掌を開くと花びらが数枚、ハラハラと地面に落ちた。
「?あっ、これって昨日の夜に見た花?」
落ちた花びらを拾い、シャオは夕焼けに透かす。
「夢じゃ無かったのかぁ。フフッ、今日は良い日だなぁ。」
シャオは花びらを指先で揺らしながら微笑んだ。
『ゴォーン…ゴォーン…ゴォーン…』
広場に響き渡る鐘の音にシャオは驚き飛び上がった。
「え!?もうそんな時間?じゃあ、また来るね。」
老木に軽くキスをし、花びらをポケットに押し込んで、シャオは家に駆けて行った。
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