* 知恵の代償 *

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そしてヒトはたくさんの生き物に名前をつけ、 発見したたくさんの物質に名前をつけ、 少しでも全能になるために、たくさんの機械や発明をし、 物事すべてを単位や公式で表そうと、多くの研究や観察を始めました。 無我夢中で全てを自分の知恵としていったヒトは、 やがて神様のことも、神様の教えも忘れていきました。 科学が発達していくにつれ、ヒトの心はどんどん貧しくなり、   思いやる気持ちも、優しさも忘れて、 さげすみ、けなしあい、騙し、妬み、恨み、 犯罪の数は日々増えていき、 緑豊かだった大地はコンクリートにかためられ、家が建ち並び、 空にはたくさんの飛行機や宇宙船が飛び交い、廃棄ガスをまきちらし、 海には絶え間なく、汚れた工業用水が流れてくるようになりました。 そしてとうとう神様も、ヒトに改善の道を見い出せなくなりました。 *******
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