日常の終わり

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 ゲームやマンガが散乱した部屋の中、見えないほど早い動きで箸を動かしている少年がいた。  赤茶の髪の毛を適当に立たせている髪、二重瞼の下に薄い赤が混じった瞳、服は学校の制服である紺のブレザー。  少年の名は『緋坂 光璃』(ひさか こうり)16歳。  光璃は時計を見て呟く。  「く、時間はすでに8時22分だと! やはりコンビニ弁当を買うべきだったか!? ダメだ! 今日の俺のお財布事情ではコンビニ弁当を買う余裕はないんだったぁ!!」  光璃は極端に起床時間が遅く、そのため学校には遅刻ギリギリでたどり着くことになる。 「ちくしょー! もっと金持ちの家に生まれてればよかったあぁぁぁぁいってきまーす!! てかいってみよーVっとぉ!!! 倒置法だぁ!!!」  壊れた叫び声を残し全力で自転車をこいで行く光璃。  ちなみに時計は八時三十分を示していた……
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