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(早く、早く……!)
懸命に走っているが、なかなか着かずもどかしい。
ようやく近所の病院に到着すると緊急なことだと受付で訴え、すぐに診てもらえることになった。ここはDが産声をあげた場所。心配はいらないだろうと、ホッと胸を撫で下ろす。心配ありませんよと医者は言い、処置を始めてくれた。その間、俺は診察室の外の廊下でうろうろするしかない。
それから数分後。パタパタという忙しない足音が静かな廊下に響いてきた。急患かと思い顔を上げると、走ってきたのはM。急いで出てきたので知らせてはいない。なのに、何故……?
「よくここが分かったな」
声をかけると、Mは複雑な表情でこう言った。
『男の子が教えてくれたの』と。
色々話を聞いていると、Mの言う『男の子』とは、俺が寝室で会った子と同じだった。
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