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そこでジークはあることに気付いたようだ。
「ん?エミリアは13歳で教えてもらった……。
エミリアを鍛えたのは……」
ジークの視線が俺に向く。
「クラッドとエミリアは同い年……。
だとしたら13歳でエミリアに〈派生属性〉を教えたクラッドはいつから……?」
今のジークの頭の中では、好奇心と不安が渦巻いているだろう。
そして激闘の末、勝利したのは不安だったらしい。
それ以上は何も訊いてこなかった。
「ジーク、お前には素質がある。
意欲次第では1週間で〈派生属性〉を使えるようになるはずだ」
「俺が?冗談――」
「じゃないぞ」
俺はジークの言葉を遮った。
「リオンと試合した時の事を覚えてるか?
あの時お前が弾に土属性を込めて地面を動かしただろ?」
「あぁ。それがどうしたんだ?」
「お前は当たり前の様にやってたけど、あれは普通エミリアの様に練習を重ねないと出来ないんだ」
ジークはポカンとアホ面のまま意味がわからないと言わんばかりに固まっている。
コイツ、自分の才能に気付いてないんだな……。
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