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「今度こそ始めるぞ」
ジークの顔が真剣になる。
俺はその顔に満足し、続く言葉を口にする。
「今からお前には、〈派生属性〉を使えるようになってもらう」
「〈派生属性〉ってアレだろ?
火属性は炎属性になったりするやつ」
「そうだ。今からお前の属性を、土属性から地属性に派生させる」
これを聞いたらジークは驚くだろう。
それは思っていた通りだった。
「なっ!〈派生属性〉は四年生になってからやるぐらい難しいんだぞ?」
そうか?
俺は12歳でできたんだけど……。
っと思ったが口には出さない。
また、お前がおかしいんだ!なんて言われるのが目に見えているからだ。
「でもエミリアは地属性だぞ。
じゃないと“地操者”なんて大層な二つ名が付くわけないだろ」
「た、確かに……じゃあエミリアはどのくらいで出来るようになったんだ?」
「確か……教え始めたのが13歳で、出来るようになったのが……1……4だったか?約1年だ」
それを聞いたジークは、驚愕に立ち尽くした。
それと同時に生まれた焦り。
エミリアが1年で使えるようになった事への驚き・尊敬・敗北感。そして、そのエミリアさえも1年かかったのだ。
1週間では不可能に近い……いや、不可能だ。
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