転校生と魔導祭

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「つまりだ!何もせずにエミリア並の力を持っているお前は、その気になればアイツよりも早く強くなれるってわけだ。 わかったか?」 「わ、わかった……」 ジークはゆっくりと頷く。 それが自分の力を理解したのか、それとも、ただ頷いただけなのかはわからない。 「まぁやり方を教えるから実際にやってみろ。魔力の質を高める。それだけだ」 「ホントにそれだけだな。簡単じゃね?」 「そう思うならやってみたらどうだ? エミリアで1年かかったのに?」 次第にジークのテンションが下がっていくのがわかる。 あまりにも可哀想なので、ヒントをあげることにした。 「土と地の違いを考えて、それをイメージしろ。 これ以上のヒントはないぞ」 それを聞いたジークは考え始めた。 さて、こうなると俺は暇になるんだけどな……。 アイツも呼ぶか。 「入ってこいよ。エレナ!」 息を呑む音と共に、扉がゆっくり開く。 「バレてたんだ……」 入ってきたのはもちろんエレナ。 結局ついて来たのか。 「当たり前。俺が浮気なんかするわけないだろ?」 「クラッドだから心配なの!」 俺だから心配? 意味がわかんねぇ……。  
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