1章。悪戯な手紙

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 その日彩香はいつも通りの中学校生活を送るつもりだった。黒板では先生がひっきりなしに手を動かし英文というやつを書いていた。 「彩香~~」 後ろから力なく声がする。 「ちょっと亜弓っ背中つつかないでよ。」 亜弓と呼ばれた女の子は力なく机に顔をくっつけ彩香をペンで突いている。 「まぢ暇だよ。英語とかやってらんない」 白紙のノートに落書きをしながら彩香に話す。おそらく「私日本人やし」とか平気で言う部類の人間だろう。 「ちゃんと聞かないと、あとでノート録らせないからね」 きつい彩香の返答に体がピクリと反応する亜弓。 「うっ。いいよ瑞希に写さしてもらうから」 目を輝かせ瑞希と呼ばれた小柄な女の子に視線を送る。 「いやよ。あゅにかすと彩香に怒られるもん」 輝かきに満ちた視線を手前で打ち砕いた瑞希。こうみえても瑞希と彩香はなかなかの秀才でだいたい上位の成績を残す。 「うぅ・・・いいよ麻美に頼むから・・・」 最後の頼みと視線を麻美にむけるが。 「zzz・・・」 「そうだった麻美も英語だめだった」 麻美とよばれた女の子は猫のような気持ち良さそうな寝顔で吐息をたてている。 「だめだこりゃ」 亜弓は頭に手をあてため息をもらした。    ~昼休み~ 「あぁいいことなぃかなぁ」 亜弓はストローを口にくわえ屋上で三人とぼやいていた。 「そういぇば亜弓って同級生の従兄弟いるんですって」 ふぃに瑞希が話題をだした。 「へぇ~かっこいいの?」 すかさず麻美がくらいついた。 「うーん。どうなんかな私あまり見たことないんだよね・・・。」 「・・・・!!!」 「そうだ!!!うちの従兄弟と文通しようよ」 一瞬黙ったかと思うと亜弓は突然提案してきた。 「えー。文通とかやってなんになんの?」 瑞希はあんまりのりきではないらしい。 「だからうちらが架空の人になりすましてアイツにいい夢をみせてやるのさ。 んで、最後はどーん」   と亜弓は親指を立てて下へと振り下ろす。 「えっ!!それはまずいだろ」 瑞希はやはり反対らしい、 「なんか楽しそう・・・あたしやる!!」 麻美はノリノリに手をあげる。 「ならあたしも」 暇潰しにはなるかと手をあげる彩香。 「・・・まぁ仕方ない」 瑞希もしぶしぶ手をあげた。 ここから直哉はどん底に突き落とされる
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