4章 いざ、ロスティナへ

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「あう……わかりました。順を追って説明します。  私たち騎士は自分の生家で基礎的な教養や戦闘技術を身に付けた後、三年から五年ぐらい現役の騎士の下で見習いとして修業するんです。このことは知ってますよね?」  今度は首を縦に振った。  ちなみにシルフィードが師事していた騎士はロウウィン=ラング=ソウル=ファーネス。すなわちデルミリーラの父親である。二人はそれ以来の仲と言える。 「でも、この規定の中に『自分の身内でない、貴族の騎士に師事するべし』っていうのがあるんです。でも一般に貴族は庶民を見習いに取りたがりませんから、騎士はほぼ全員が貴族となってしまうんです」  一息に説明した後、シルフィードは大きく息を吸った。そしてデルミリーラの腕を握りっぱなしであったことに気付き、慌てて手を離す。
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