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隆一「わかった。わざわざ大手からうちに来たい…と言う者を私一人の決断で退けるわけにも行かないからな。
ただし、中途採用の試験は受けてもらうぞ?
社長とは言え、私は人事に関して口出しできないんだ。
……応募の手続きくらいしか…。」
私の言葉に予め想像がついていたのか、光一はそれでも嬉しそうな声を出す。
光一《応募を受け付けて貰えるだけで構わないよ。東条がいる会社は中途採用の募集なんかしてないんだろ?
元々こっちはダメもとで電話してるんだ。》
確かに、今回は新規採用のみで中途採用は受け付けていなかった。
元々、要が起こした時からあの会社は新規採用のみで、中途の場合は社長自らがスカウトして、尚且つ試験も実施している。
自分でスカウトしてくるとは言え、ある程度の実力を試験で試していたようだった。
つまり、試験くらい軽々と突破してくるぐらいの実力が伴っている者だけを採用していたようだった。
自分自身でスカウトした者にもそうやって厳しくするなど、東条の本社では考えられない事だった。
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