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私の放った言葉に石動は一瞬言葉を詰まらせたが、すぐに話しかけてきた。
光一《確かに、お前が怒るのもわかる。実際俺もかなり慎也を説得したんだ。……だが、A商事を辞めてお前の会社で働きたい…の一点張りなんだ。》
石動の声からして、かなり説得したんだろう。
だが、何故今さら会社を変えようとするのか……。
そこを石動に聞いてみる。
隆一「だが何故今なんだ?東条の本社にいるわけではないし……」
その問いに石動はあっさりと答える。
光一《東条の本社は殆どが縁故採用だったから、慎也は受けても通る事は無かったんだ。
だが、東条は今現在一会社の社長だろう?今なら慎也も入れるかも知れないし。
何より、慎也が東条の側で働きたいと言い張ってるんだ。》
同窓会で会ったあの青年は私の事を誤解している。
私の側に来ても何一つ良い事など無いのに……。
そう思いながらも、私の口からは了承の言葉が出ていた。
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