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人口が減ったことのメリットは、どこへ行っても混雑はなくなったこと、そして食べ物の確保が容易になったことである。
それなりに人権や所有地を巡っての諍いはあったが、人類そのものが戦うことへの意欲よりも、いかに人種を絶やさないかに必死になっていたとも言えるのだろう。
しかし、デメリットももちろんあった。
人手不足から労働条件はどんどん悪化し、収入も一向に増えない。
次第に異国との交流も疎遠になり、政府でさえ年に何度かの会合として集まることもなくなっていったのだ。
そんな国際情勢に異を唱えるものもなく、人々の関係も希薄の一途を辿っていくばかりだった。
そして、それに輪をかけたように出現したのが、奴らだ。
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