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西暦3000年から数百年ほどたった頃のことである。
地球はまだ丸い。
過去の人間が戦争をし、オゾン層を破壊したり、痛々しい自滅行為を繰り返したくせに、相変わらず形は変わらない。
月は満ち欠けを規則的に行い、太陽は毎日昇る。
空は青く、雲は白い。
誰が決めたのか知らないが一日は24時間、一年は365日のまま。
時たま雨が降って水は地面を濡らす。
雷が鳴っては、どこかに落ちる。
昔と何も変わらない。
だが、雨の日は見逃せない。
昔の世界に帰れる日だから……。
今、彼らは水中で暮らしているのだ。
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