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人間は西暦3000年頃まで平成という年号で呼ばれた時代と同じように、全員が陸地にいた。
家畜された肉を食べ、畑で作られた野菜や米を主食とした。
過去の映画で想像されたような車や電車が空を飛ぶことはなかったが、スピードや形の面ではかなり進化していた。
移動手段にひとつの不満も抱かなくなったのだが、問題とは常に人類の頭上を浮遊している。
日本で以前より大きく叫ばれていた少子化問題は時を追うごとに深刻となり、世界へと波紋を広げた。
それは一人っ子政策をかかげていた中国も例外ではなく、気づいたときには人口はピーク時の半分以下になっていた。
政府としては、人口増大を掲げたが、その時代の人々は争いが減る分、生きやすくなると、あまり子供を産もうとはしなくなり、母性という単語が使われることもなくなっていた。
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