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カウンターには、いつものように酔い潰れた倉田道雄がいた
(倉ちゃん!今日は飲み過ぎよ!)とママが言う
(いいやんけ!今日は、アイツの誕生日なんだ)と一人ニコニコ
(倉ちゃん!いつまでも言わないの!)
(ママ、言ったよな~真奈美は生きてる、って)
(倉ちゃん!いい加減しなさい!真奈美ちゃんは、いないんだから!彼女が可哀想じゃない!)
(可哀想?ふん!そんな事あるか!)
ママは倉田の側に
(倉ちゃん、もう35の男なんだから、いつまでも後ろを見ないで)
(何言ってんだ、35が、どうした!)
(さぁ、悪酔いしない内に帰って、もう飲ませないよ)
ママは、倉田が心配だった、新藤真奈美が行方不明になって5年、倉田は、脱け殻のようになっていた。
回想
6年前、倉田は初めて真奈美にあった、決して美人ではないが、身長も140位、肩にも届かない短い髪、幼い顔立ち、少し下がりがちの目、笑うとエクボがとても愛らしい
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