試合

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
試合中。カレとライバルは、競いあう。大歓声の中。今日は久々の満席。 ライバルからボールを奪うと、少しブーイングがおこった。 ―カレは気にせず続ける。 その姿を見たライバルは、カッとなり、こちらに突っ込んでくる。 ―ファウル。ブーイングの嵐。カレとライバルの間に火花が散る。 再び試合が始まる。 すると今度はライバルが足をかけて――。 「ッッッ!??」 鈍い音がなる。 「ヴァァァァ!!」 にぎやかだった会場はいつの間にか静かになり、カレの悲鳴だけが響いている。 足をかけたところまではよかったが…(いや、よくはないのだが)、問題はその後だ。足をかけた本人が転んでしまったのだ。そして、スパイクを履いたライバルの重い足が、カレの細い足の上に―――。 足を痛そうにかかえたカレは、担架に乗せられ、病院へ。 ―この試合がカレ、浅野久遠と少女の出会いのきっかけ、この話の始まりだったのだ。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!