衝撃の出会い

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 晴れ渡る空を見上げながら、今正に授業中であろう時間に屋上で1人、携帯電話を操作し続けている女子高生がいる。彼女の名前は浅田美南、通称ナミ。暇さえあれば携帯電話を操作してメールやらチャットやらに精を出している今時なギャルである。浅黒い肌にケバいメイク、ウェーブのかかった金色の長髪。耳にはピアスが小ぢんまりと飾られている。 「あぁもぅ、電波悪過ぎ~」  先程から見たいサイトに接続するも、電波の悪さから接続時間を過ぎてしまい『サーバーに接続出来ませんでした』とのメッセージが表示された事に苛立ちを隠せない様子だ。チッ、と舌打ちをすると画面を切り替えて別のサイトに接続し始める。 「学校に電波塔作れよ💢」    既にマイクロ、と表現出来るかと思われる程丈を詰め、短くなったスカートから投げ出された脚を気だるそうに組み直し、一旦操作画面を終了する。途端にメールメニューを開くと軽快なボタン操作で瞬く間にメールを数件送信する。その中の何件かでも返信が来れば占めたもの。暇潰しの相手を探しているのだ。 「…あれ?マリからだ」  ナミは滅多に来ない相手からのメールを訝しそうな表情で開くと、がっくりと肩を落とし
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